蜂伏の平屋 
hachibuse hiraya
 
初めて敷地を訪れた時、建主夫婦がこの敷地に恋した理由が素直に伝わってきた。
風通しが気持ち良い高台。南側に広がる熊野灘と呼ばれる美しい海、そして青空。
東側からは朝の陽射しと共に鳥のさえずりが聴こえ、夕刻に染まる西空も眺めることができる。
この美しい敷地に平屋を計画するにあたり窓辺空間(縁側)を主体に考え
建築外周半分にその縁側を廻した。

縁側に面する室内には浴室〜洗面〜ゲストルーム〜リビング〜キッチンを配置して外部へダイレクトに出れる空間構成とし、暮らしながら美しい外部環境に触れるプランニング。
建主の趣味である釣りの部屋「はなれ」とは大きな勾配屋根で繋がっていて、そこから延びるアプローチは、ピンと張った糸を少し緩めたカーブを描く木格子を並べている。

夕方


昼間


縁側の向こうに広がる景色


深い庇を持つ空間


開放的なKリビング


シナの天井が美しい


夕景

設計: 奥和田 健 /株式会社奥和田健建築設計事務所
撮影:冨田英次写真事務所