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2025.12.02
奥和田 健 / Takeshi Okuwada

住宅を地域社会に開放する試み1年半

住宅を地域社会に開放する。建築家

自分の住む家を地域に開放して、気づけば一年半が過ぎた。

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二十年続けようと思っているので、まだ入口に立ったばかりだ。それでも、家の内と外で、静かに二つの変化が芽を出し始めている。

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ひとつは外側の変化だ。掲げている「地域社会の循環と更新」というテーマが、少しずつ始まりつつある。徐々にではあるが地域の方々に存在を知って頂いたこと。SNSを見て遠方からもお越し頂いたこと。その両者に小さな交流も生まれ、家を媒介に人と人がつながり始めている。

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さらに、これまで距離のあった町内会の皆さんとも自然と話す機会が増え、街のことを一緒に考えるようになってきた。

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もうひとつは内側の変化。家族と自分自身の心の動きだ。家を開くということは、知らない人が土足で家に入ってくるという、日常とは少し違う風景を受け入れることでもある。最初は戸惑うだろうと思っていた。でも、いつの間にか家族はその時間に馴染み、開放日をちょっと楽しみにしているようにも見える。時々、息子がカウンターに立って接客を始めることがあり、その姿を見ると、この試みが新しい話題や経験を運んできていることに気づく。

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もちろん、良いことだけではない。身体や気持ちが疲れている日もある。それでも、始めた以上、続けていきたいと思う。自分が地域社会の役に立てるのかどうかは分からない。けれど、この家の扉を開けておくことで、いつか誰かの何かになれるかもしれない。そんなささやかな期待を胸に、今月も扉を開ける。

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そんな家の地域開放「 Teradacho Void / long coffee countera 」では、只今、金町光一郎さんのドローイングが行われております。12/7(日)の開放日がその完成日。あと、12/21(日)も年内最終の開放日となっています。宜しければ皆様お越しください。