敷地は、和歌山県かつらぎ町にあり、東から西に流れる紀の川近くの平野に存在する。北側には大阪との県境の和泉山脈があり、そして南側には高野山が望める地域である。
本建築の施主である山本製作所BASEの山本氏は、この町の中小企業の後継として生まれた。建築にまつわる金属加工業が主な営みであり、山本氏の丁寧なステンレス加工技術を求めて、関東や九州など全国からオーダーが入る。
山本氏は金属加工業の他に、自社のステンレス加工の技術を活かして、家具ブランド「Metalab」を創出。先の敷地に家具を常設展示する施設を作ること、そして地域に開放されたショールームにすること、建設には地域経済の担い手である各企業の参加を促して地域と連携することが、建主である山本氏からの要望であった。
設計にあたって4つの条件があった。
1つ目は、展示する家具を置き回遊できる広さを確保すること。2つ目は、既存の工場との連携を確保しながら展示空間を区分すること。3つ目は、前面道路へ向けて開放していること。4つ目は、Metalabブランドの代名詞ともいえる「ステンレス」を建築の仕上げに用いることであった。これらの条件と先の要望である地域との連携を念頭におき、プロジェクトを進めた。
Metalab Park Museum
メタラボ パーク ミュージアム
設計:奥和田 健
okuwada architects office 奥和田健建築設計事務所
撮影:山田圭司郎 YFT(photo&movie)|
構造:土屋茂|株式会社 土屋設計|
施工:分離発注方式:建築(カタヤマ建築工房)、ステンレス加工(山本製作所BASE)、板金(内田板金)、電気(松本電気)、給排水(紀北環境衛生センター)
所在地:和歌山県かつらぎ町
主要用途:展示施設
構造規模:平屋