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Enabling Village|夏とWOHAの建築とSingapore(その3)
前回(その2)より



Skyville@Dawsonから海側へと下りながら歩き、アレクサンドラロードを抜けると林のような場所に辿り着く
Enabling Village
WOHAの設計によるコミュニティー施設



Enabling Villageの詳細について情報は少なく
ArchDailyを読みながら向かったが
空間の中に入ると心地良く
3時間ほどこの施設内で過ごすことになった



中に入ると親緑空間とはこのようなことなのかと頷いてしまう
生物の多様性を感じると共に、教育や小売りを通した経済そして仕事や訓練など、障がいを持つ方々が能力を発揮してコミュニティーを形成している



建物は7つのブロックから成り立っており
旧建物をリノベーションし構成されていて、ほとんどが緑で覆われていて水辺もあれば



少し小屋のような場所も数か所ある
上の写真は利用者の方が瞑想されていた小屋

瞑想、そんな習慣、僕にはないけど
この小屋の中で静かに時間を過ごすのは心地よいのだろうと想像



Enabling Villageには
様々なオフィスも入っている
既存の建物にコンテナを挿入した部分



スロープを重ねて構成したランドスケープ
実務の設計でスロープは端の方へ追いやられることが多いのだが、このように重ねると良いのだなと歩きながら確認



そのスロープ脇にはコンクリートの土管を利用したミーティングスペースがあったり



WOHAの建築によく見られる金属パイプを組み合わせたファサード



珈琲を飲める場所もあり
パンも販売されている

シンガポールの建築と言えば高層の建築が有名で、WOHAの設計による建築も集合住宅やホテルが多いが
このEnabling Villageは比較的ゆったりとした敷地内にあり、低層建築物の再解釈(リノベーション)の手法の上手さに頷くことが多かった
なにより、この場所で働いている方々が親緑空間と共に豊かさを共有しながら多様な存在を認め合い生活されている様子に感銘を受けた

そして、昼食をとり再度MRTに乗り込み
次の目的地 Oasia Hotel Downtown へ向かうことにした


※次回に続く

2018.9.27
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奥和田 健
建築家/一級建築士
株式会社 奥和田健建築設計事務所
Okuwada Architects Office